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眼の前の赤い液体の入っている瓶を、藤音はこわごわと見つめた。
何やら恐ろしい話だ。
視線を巡らせると、机の脇には見たこともないような球体が置かれている。
藤音はおそるおそる手を伸ばし、球にふれてみた。
よもや触ったくらいでは爆発するまい。
「この、丸い物は何なのでしょうか」
「それは地球儀だよ」
「地球儀?」
藤音はまたもや首をかしげた。こちらも初めて耳にする名だ。
隼人が藤音のかたわらに来て、その地球儀とかいう球体をからりと回す。
「これは、わたしたちの住んでいる世界を表したものなんだ」
「は?」
隼人の言うことが藤音にはさっぱり理解できない。
「丸いのですか? なぜ? わたくしたちの足もとの地面は平らではありませんか」
「なぜと訊かれると説明するのは難しいのだけど、とにかくわたしたちの住む世界はこういう形をしているらしいんだ。で……」
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