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ノッポは今、真っ暗闇にいて、なんと真っ逆さまに落ちていました。
窓の明かりはみるみる遠ざかり、やがて見えなくなってしまいました。
冷たい雨風が肌をたたきつけます。
目をつぶり、彼は先ほどの自分の行いをつくづく後悔しました。あの時、窓に寄りかかったりしなければ、こんなことにはならなかったのに。
ざわざわ、ごうごうという音が、下の方から迫ってきます。
暗闇に放り出されてしまった不安と、抵抗もできず落下していく恐ろしさに、ノッポはすがるように持っていたものを抱きしめました。
それは親友のソフィがプレゼントしてくれた、一輪の白い花でした。
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