150人が本棚に入れています
本棚に追加
栄太郎に連れてこられたのはこの前三人で眠った部屋だった
しかも既に布団(二枚だけ)が敷かれていて、その上に梅之助が胡座をかいて座っていた
梅「今日も三人で寝るか」
華「寝ないよ。それで何の用」
梅「つれないねぇ」
梅之助がニヤニヤしながらからかってきたので、私は少しイラッとした
華「用がないんだったら私は出るよ」
梅「わわわっ、ちょっ 待てよ葵」
私が部屋を出ようと襖に手をかけると、梅之助が慌てて立ち上がり私の腕を掴んできたので、私は渋々布団の上に座った
華「私は忙しいのでさっさと話してください」
栄「実は僕たち葵に隠してる事があるんだ」
華「はい?」
栄「僕の本当の名前は『吉田 稔麿』」
梅「俺は『高杉 晋作』」
稔「ちょっと色々あって隠してたんだ。葵も気づ
いてたでしょ」
華「・・・まぁ」
あまりにも急に正体をバラしてきたので、私は困惑した
しかし、栄太郎・・・いや、吉田の次の一言によって私は固まってしまった
稔「本当の名前を教えたんだから葵も僕たちに本
当の名前を教えてね」
華「・・・・・えっ」
稔「いつも名前を呼んでも少し反応が遅いから怪
しいなぁって思ってたんだ」
華「・・・・・」
まさかバレてたなんて・・・
華「( ハァー」
私は大きなため息をはくと、背中はピシッと伸ばした
最初のコメントを投稿しよう!