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その頃、屯所では・・・
ある一つの部屋にだけろうそくの暖かい明かりが外に漏れていた
そのろうそくの明かりがついている部屋には一人黙々と書類に向かって筆をはしらせている男がいた
男「ふぅー」
一段落終わったのか、男が机の上に置いてあるすっかり冷めてしまったお茶をひと口飲んでいると
ーーシュタッ
突然上から黒い物体がその男のそばに降りてきた
「副長、報告があります」
男「何だ、山崎」
突然現れたのに副長ーー土方歳三はまったく動じずに応えると、山崎と言われた男が懐からある紙を取り出して土方に渡した
山「やはり、あの者は黒でした」
歳「そうか」
土方は渡された紙を見ながら呟く
山「どうしますか」
山崎は土方を見つめながら命令を待っていると、土方がニヤリと笑った
歳「もちろん、捕まえて鼠の居場所を吐かせてや
る」
山「分かりました、では」
そう言って山崎が帰ろうとすると
歳「待て」
土方が口を開いた
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