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ふと、お母さんとの会話を思い出した
・・・お母さん、ごめんなさい
私は、一番大切なことを忘れていた
どんな人でも、哀しんでいたり、苦しんでいる人を助ける
お母さんとの、たった一つの、大切な約束
・・・・・私の使命
今からでも遅くないかな
私の目の前には
傷ついている人がいる
苦しんでいる人がいる
私は彼に、慰められた
だから、そのお返しもしたいんだ
華「・・・風雅」
彼の名前を呼び、一歩一歩彼に近付く
風「 (ビクッ」
彼は一瞬びくりとしたが、構わずその身体を強く抱き締める
鬼
それを恐ろしい存在
だけど、彼は優しい
そうだ
偏見はただの差別でしかない
偏見によって、多くの者が哀しみ、苦しんでいる
私はもうそうなりたくない
勝手に偏見し、差別し、哀しみ、苦しんでいる人や妖を増やしたくない
『助けたい』
華「私は貴方を恐れない。鬼だから何、貴方は私
を助けてくれたとても優しい人じゃない」
彼を抱き締めたまま、優しく囁く
私を慰めてくれた時のように
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