初めて・・・

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華「はあ、はあ、はあ」 もう、どこをどう走っているのかさえ分からない 沖田から逃げるため、無我夢中で走っていたから 華「もうっ、いい、かな」 立ち止まって後ろを振り返ると、遠くに町があるだけ 周りには人っ子一人いない いつの間にか町の外に飛び出していたようだ 華「ふぅ」 近くの川沿いに腰を下ろし、呼吸を整える ん? 手元を寂しく感じ、見下ろすと、何もない あっ!食料忘れた! 恐らく・・・ いや、絶対沖田から逃げる時にあの甘味屋に忘れたんだ せっかくたくさん買ったのに・・・ 華「はぁ」 今から取りに行くのは危険だから、明日取りに行けるかな 取られてないよね 少し不安になりながら町の方に視線を向けていると・・・ 「うわあああ!!」 近くで、誰かの叫び声が聞こえた 今度はなんだ! 慌ててその叫び声が聞こえた方へ視線を向けると、二人の人影があるが・・・ 一人は棒のように突っ立っていて、もう一人は腰を抜かしていた 何かあったのかな? 不思議に思いながら近付いて行くと、その人影がだんだん鮮明に見え始める いや、あれは人影というより・・・ ある事に気付き、私はその二人に駆け寄った 男「あああ、おっ、お前」 腰を抜かしている男は少し混乱状態だが、突っ立っている人はその男を見ながら、悲しそうな、辛そうな表情を押し殺して無理に笑っていた
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