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「では、本番も宜しくお願いしますね」
「はいはい」
上の空で彼女に返答をした。練習が大丈夫なのだから、本番も大丈夫だろう思い込みながら教室から退出を行う。
僕の後を追うように彼女も教室を出て、二人肩を並べながら学校から出た。何気なく彼女の横顔を見てみると、何故か彼女は不貞腐れた表情で僕を見詰めている。
「……どうしたのさ?」
「さっきの言葉の意味を理解してますか?」
「本番でも大丈夫さ。僕が保証するよ」
「本人に保証されると言う事は本番でも大丈夫そうですね。練習通りさせてもらいます」
「はいはい」
「鈍感で、朴念仁で、にぶちんな貴方は私がこの先ずっと騙してあげます」
「僕的には騙されたくないなぁ」
「いえ、貴方はもう私に騙されてますから安心して下さい。と、言いますか本能的に貴方は無意識に騙されていると表現するのが正しいです」
「えっ、なにそれこわい」
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