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1.出逢い
「別れよ」
夕方、電車の音が響く高架下の公園で私は伝えた。
私は大西柚葉。高校二年生。
学力は下の下で偏差値の低い高校に通っていた。
周りからの評判もあまり良くない高校で、最近は見かけることが少なくなったであろう、ルーズソックスにミニスカート、ピアスやネイルを身にまとった女子や
学ランは扁形している、ズボンのポケットにはタバコが入っている男子がいるような所。
まぁ、私も浮かない程度でそれなりに馴染んで過ごしていたつもり。
一年生の頃から付き合っていた二歳年上の彼と上手くいかず、今別れを切り出しているわけで
グチグチ言われるかもなんて思っていたけれど
「わざわざ呼ぶなよ。電話で良くね?」
まさか、こんなこと言われるとは。
「あぁ、そう。じゃあね。」
私は苛立ちを隠すように微笑みその場を去った。
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