はつこい白書

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まあ、まさかそんなに積もることもないだろうと思っていたのに、予想を裏切りその直後から雪が降り始めあっという間に二センチほど積もっていた。 習い事など休めばよかったのだ……と今ならば思う。 だが、タイヤも雪用に変えたばかりで、大丈夫だろうという甘い考えがあった。 聡のお迎えまでは二時間弱だから、何とかなるだろうと車を走らせる。 聡にはじゃあ後でまた迎えに来るからと、家へと帰宅した。 しかし、本当に甘い考えだったと後悔するのはこれからで、聡を迎えに行く頃都会暮らしの繁には家を出ることが難しいほど、雪が積もっていた。 相当時間はかかるかもしれないが、ピアノ教室に電話をして待たせてもらい歩いて迎えに行くしかないかと腹を括った時、電話が鳴った。 「はい……お~雪凄いよな。 いや、これから聡の迎えに行かなきゃならないんだよ……仕方ないから歩きで行くつもりなんだけど」 電話は、最近子どもが産まれつい先日会ったばかりの友人だった。 雪だから家にいるだろうと電話を掛けてきたらしいが、繁はつい愚痴のようにこの雪の中聡の迎えに行かなければならないことを告げた。 何を意図したわけではない、友人が元々雪に育ちで雪道の車の運転には慣れていると、この時初めて知ったのだ。     
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