プロローグ
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笠沙の崎で、彼は彼女に会った。白い腕、水面から水をすくう仕草、花の化身か、妖か、美しい女だった。彼は耐え切れず彼女に尋ねる。 「汝は誰だ」 「大山津見の娘で、名を……」 彼の名は
天孫邇邇芸命
(
てんそんににぎのみこと
)
彼女の名は
木花咲耶姫
(
このはなさくやひめ
)
といった。
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