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海底の色の様に深い紺・・・
その紺色の車体の表面に、オレンジに瞬き流れる街灯を眼で追っていたのを、今更になって懐かしく思う。
ボンネットの縁とダッシュボードの陰に吸い込まれて行く白線が、コーナーを迎える度に右へ左へ揺らめき、歪むのを繰り返す。
あの時は200km/h以上もの速度で、命を削り合っていた。
だが、今はどうだ・・・?
現在、俺はアベレージ250km/hで3車線を目一杯に使い、他車を避ける。
当然、俺の車に先行する車など何人たりとも居ない。
俺はそれを望んでいた筈なのに、どこか懐かしくて・・・
けど、何か足りなくて・・・
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