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変わらない。彼はあの頃のまま。あの頃より身長が伸びようとも年齢を重ねようとも変わることはない。
グレイはルディアに顔を近づける。
ルディアはきょとんとして動かない。
そのままグレイはルディアの唇を塞ぐ。軽くそっと触れるだけの口づけを落とすと体を離した。
「はっ?!…な、なんだ?!なんでお前ちゅーなんか!?」
激しいパニックを起こすルディアの声は上擦る。
「家族としてのキスですよ。挨拶みたいなものです。……今の所は、ですけどね。そう思っておいて良いですよ」
意地悪く笑いそう言うとグレイは先に歩き始める。
「そうか、そうか。挨拶みたいなものか…なら良かった…って良いわけあるか!俺のファーストキスがぁぁぁ!」
頭を抱えるルディアにグレイは笑っている。
「まぁまぁ、今のはカウントに入れなければ良いのでは?」
「それもそうか…あ、お前!戻ったらマジで手当だからな!俺が絶対するから」
「嫌ですよ。貴方死ぬほど不器用じゃないですか。幼少期にミイラ男にされて死ぬかと思いましたから断固拒否します」
「だから大丈夫だって!今の俺ならいける!」
「どこから来るんですか、その自信は…」
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