気がつけば、異世界。 

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「お前…王子に向かって馬鹿はないだろ。あんまり可愛くないことばっか言ってるとクビにするよ?」 むすぅとした表情をしてルディアはそう口を尖らせる。 「怒る箇所はそこだけなんですね、正直驚きです。ああ…クビですか、有り難い。こんなアホ王子はこっちから願い下げですよ。そう言えば貴方は確か方向音痴でしたっけ?こんな見知らぬ土地で町に一人で辿り着けるんですかね?ああ…失礼。クビになったのだから関係のない話でした。では私はこれで…お達者で」 にこやかな笑みを浮かべて片手を挙げくるりと背中を向けて歩き始めた従者。 「えっちょ…!嘘!嘘だってば!待ってぇぇ!置いてかないでぇ!!」 半泣きになりながら慌てて従者の後を追う王子。他の世界に来ても二人の関係性はあまり変わらないようです。
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