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「俺ね、差別とかだいっきらいなのよ。だってそんなの楽しくないでしょ。それにやられる方はたまったもんじゃないよ。
…おっちゃんくらいの年なら子供とかいるんじゃないの?子供ってさ、大人が思う以上に大人を見てる。んで真似しちゃうんだよ。大人がやってる事は全部やって良いんだって。良いことも悪いこともさ。
俺さ、ここの人達好きだよ。明るくて優しくて。きっとおっちゃん達も普段はそうだと思う。ただ今日は仕事とか何かでイライラしてたんだよな?
でもさ…誰かを攻撃してやろうって気持ちで言葉を言っちゃダメだよ。大人とか子供とか関係ない。大人だって酷い事言われたら腹も立つし、傷つくよ」
しゃがみ込んでいた体勢のままルディアは真顔で男達に告げる。剣を男の喉元から外すと立ち上がった。
「俺もこれはごめん。連れの事悪く言われたから腹が立って…ごめんなさい」
ルディアが深々と頭を下げる。そんな彼の行動に男達は慌てて頭を下げ、尻餅をついていた男も立ち上がり続いて頭を下げた。
「俺達も酒に酔ってた…とか仕事でムシャクシャしてたとか理由にはならないな…伝承と似てるってだけでアンタ達に不快な思いをさせて申し訳なかった…」
「おっちゃん、謝ってくれたんならいいよ。んじゃここで解散!もう酔った勢いで絡んじゃダメだぞー?」
ルディアは家路へと着くのだろう歩く男達の背中に声をかけ手を振る。男達は苦笑いをし、手を振り替えしそのまま去っていった。
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