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今までなら彼が王子で自分は従者だから差し出がましい事はしないでおこうと目を瞑ることが出来た。
しかしこれが身内として接しなければならないのなら、それは出来なくなる。
従者であると言う立場は変わらない。 それなのに王子である相手に格下である自分が注意や助言をしなければいけない。
それは自分の中の従者像のようなものが崩れ去る事を意味する。
従者は王子や王の命令は絶対。彼等の 言うことを忠実に聞く僕であればいい。
自分の意思など持たず、感情を持たず、ただ彼等の手足であれば良かった。
あらねばならなかった。
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