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「……わかりました。王子、その罰をこの命が尽きるまで全うする事を誓います」
「そうしろ。で、お前は言いたいことは言え。家族なんだから」
グレイはルディアからの罰を受け入れた。元より彼からの罰ならどんなものでも受けるつもりだった。
それが死でも殴られる暴力でもなんでも。
だって彼は自分の王子である前に己の命の恩人なのだ。
犬の半獣など、異質な存在は差別を受け迫害されるのが当たり前の時代。それは今もあまり変わらない。
ここに来る前は、朝も昼も夜も奴隷のように働かされていた。
両親は顔も覚えていない。売られる前の記憶も靄がかかったみたいにグレイは全く思い出せないのだ。
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