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あの日と同じにはさせない…もう二度と__
グレイは己の前に出たルディアの腕を引きその胸へと抱き締める。
猫に背を向ける形になり、怒り狂う猫に背中を引っ掛かれる。
鋭い爪が皮膚に食い込み抉られる感覚がする。ジンジンとした痛みが背中に広がる。
「お前っ!離せ!何やってんだ!背中が…!」
「貴方を守れるなら…背中くらい安いものですよ」
グレイから逃れようと暴れるルディアを離すまいと彼は強く抱き締める。
「グレイ!離せ!お前っふざけるなよ!俺がこんなことされて喜ぶとでも思ってるのかよっ?!」
「…“家族を守るのに理由なんていらねえよ”…貴方が言ったんじゃないですか…。……大丈夫です。あの時の貴方と比べたらこんなの掠り傷です。瀕死にもなりませんよ」
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