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貴方を守れない自分が嫌だった。
貴方に怪我を負わせた自分が許せなかった。
何も出来ない自分が歯痒かった。
玩具みたいに吹っ飛んで木に叩き付けられる貴方を助けられなかった。
頭から流れる血を止めようと手で押さえたけど止まらない。彼の命がどんどん流れてく。
嫌だ嫌だ嫌だ。早く止まれよ!
どんどん自分の手が血に染まる。
胸が苦しくて痛くて吐き気がした。
これ以上流れたら血が無くなる。彼が死んでしまう。
俺の腕でも足でも引き裂いて彼に血を与えられたらいいのに…。
でもそんなことは不可能だ。わかってる。
知識だけあったって意味がない。この時に初めて痛感した。そして死の恐怖も感じた。
何も出来ない俺の代わりに王が的確に止血をしたり全てを順良くこなした。
だからルディアは助かったのだ。
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