第五話

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 「さて、そろそろみんな出勤してくるころだから、それまでに説明しとこうか」  メリザはコーヒーを飲み干し、仕事モードになる。長くなるけど、できるだけ簡単に説明するね、と前置きをし、話し出す。  「まず、僕らの仕事は大きく分けて二つある。一つは、扉の研究。千晴ちゃんも知っての通り、ここはそのための場所だ。ここで働いてる人達は、基本的にこちらの仕事しか知らない。あの扉・・・・・・千晴ちゃんが通ってきた扉は、いまだ謎が多い。だから実際に行き来した千晴ちゃんはすごく戦力になると思ってる。千晴ちゃんにお願いする仕事は、これ」 メリザはそこで話を区切る。千晴は、何度も頷いた。  「二つ、と言うことはもう一つあるんですか?」 メリザは言いずらい事なのか、少し考え込んではなしだす。  「二つ目はブラックリストの管理だ。こっちの仕事は、知らない人の方が多くて、基本的に、僕とナナキとタタラでやってる。ブラックリストっていうのは、簡単に言うと、危険人物リストってとこでね。この世界は殺人に対してのルールが曖昧なんだけど、この国は、絶対に人を殺してはダメってルールを掲げてる。特にセントラルではね。だからそのルールを破りそうな人が国内外に居たら、上の人がリストに載せる。僕らはその殺人を未然に防いだり、ルールを犯したやつを捕えたりする。そんな仕事だ。リスト事態、カルマリア関係が独占してる。あまり千晴ちゃんはかかわらない仕事だけど、一応知っといてね」  千晴は、前者の仕事だけだとばかり思っていたため、驚きを隠せない。  「そんな大変なお仕事を」  「まあ、その仕事は僕らだけじゃなくて、この国には、いくつかそういう組織があるんだ。それを管理しているのが千晴ちゃんのおじい様。だからそこまで負担じゃないよ。それよりここまでの話は大丈夫かな?いっぺんに話しすぎたけど」 千晴は頷くが、そこに祖父が出てきたことに驚く。えらい人だとは思っていたが、具体的な仕事内容は知らなかった。それ故に動揺した。
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