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階段を上りきり、廊下に立つ。一階の研究スペースとは違い、暗い木目調の落ち着きがある空間だった。向かい合うように四つのドアが見え、正面に一つドアがある。
「一番奥の正面が僕で、その右がナナキの部屋。千晴ちゃんの部屋はここだよ」
メリザが案内したのは、左手にある、手前から二番目の部屋だ。ポケットから鍵を出して、開錠する。ドアを開けると、ギギっと音がなった。
部屋は六畳ほどで、窓が一か所。ベットやクローゼットはすでにおいてある。女性が好みそうな、カラーでまとめられたカーテンやベットシーツはとてもセンスが良く見えた。
「ずっと使ってなかった部屋だけど、ちゃんと掃除して、家具とかも新しいから、安心して使って」
「新しく用意してくださったんですか?」
「床で寝かせるわけにもいkないからね。あ、家具のチョイスは知り合いの女性でね。さすがに僕にこんなセンスはないから。また必要なものがあったら遠慮なく言って」
ありがとうございます、と千晴は頭を下げた。
「そうだ、忘れないうちに渡しとくね、この部屋の鍵と、この建物の鍵。あと裏口の鍵も渡しとく」
チャリと一本づつ千晴の手のひらに置いていく。
「一応、これも渡しとくね」
そう言って、メリザの手に握られていたのは銃だった。千晴は思わず、あ、と声が出る。
「あくまで護身用だよ。さすがに丸腰は危険だからね。打ち方はわかる?」
その問いに千晴はゆっくり頷いて、銃とホルダーを受け取った。
「使わないで済むのがベストなんだけどね。まだ夕飯まで時間あるし、部屋でゆっくりしてて。荷ほどきもしたいだろうし、何より疲れてるだろうから。ご飯は基本的に外食とかでね、また時間になったら声掛けるから」
そういってメリザは部屋から出て行くと、千晴は一気に緊張が解けた。ベッドに腰を掛け。、そのまま力を抜くとボスン、とベッドに転がる。その感触がベットの高級さを表していた。ありがたいな、と考えながら、そのまま千晴は睡魔に襲われ、意識を手放した。
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