朝、起床。

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「恭助さん…美味しい?」彼女はいつも聞いてくる。味見はしていると言っていたが俺の好みの味付けになっているのか気になるみたいだ。 「ああ、美味いよ。全部俺好みの味だ」 「そう…良かった。あ、先生。忘れないうちに…はい。今日のお弁当」 青い包みに入った弁当を手渡して来た。有り難く受け取り俺は鞄に入れた。 「サンキューな。今日は保健室に来ると盛れなく俺と飯が食えるぞ」 にやりと笑いながらそう言えば 「…じゃあ行きます…。今日は会議とか大丈夫なんだ」美鈴はえへへと嬉しそうな顔をする。 いつも昼飯は一緒に食べられるわけじゃない。俺は会議が入る時もあるし生徒の付き添いで病院に行くこともある。 今日は部活の試合があるわけじゃないし会議もないから概ね暇だ。 「まあな。久々にあーんでもして貰うかな」 「うう…普通に食べようよー…」 また赤くなるこいつは可愛いからもっと意地悪したくなるがまた後でいいか。
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