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「先生ぇ…意地悪しないで下さい」
「悪かったよ。ほらこれで良いだろ?」
泣き顔が可愛いのであって俺はこいつをガチ泣かせたいわけじゃない。
可愛い顔が見られたから満足だ。俺は目を閉じてやる。
暫くしても一向にキスをしてくる様子のない彼女。まさか逃げたか?
薄目を開けて確認する。…あ、ちゃんといた。意を決したようにこちらに顔を近づけてくるところだった。
ぷるぷると羞恥からか睫毛が小刻みに震えているのがまたいいな。
むちゅと軽く唇を触れさせるキスをして離れていこうとする。もう一息か。
「…違う。この間教えてやったろ?」
俺が目を開けて制すと“もう無理です”と言いたげな彼女の表情。
「…美鈴、ちゃんとしろ」
頬へ手を伸ばし撫でてやりながらそう告げる。
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