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その朝、私は凄まじい怒鳴り声で目覚めた。
「ですよね!?ねえ!竹田さん!?」
時計を見るとまだ8時。
怒鳴り声は私の部屋の外から聞こえる。
「何?ケンカ?」
授業がないのをいい事に昼まで寝るつもりだった私は、憮然としながらベッドから起きた。
大学に近いマンションの3階から、そっとカーテンを開けて階下を眺める。
甲高い女性の声はマンションのすぐ下の道路からしていた。
年齢は60代くらいだろうか?
痩せているがこざっぱりした服装のその女性は、何かに猛烈に腹を立てていた。
誰かとケンカをしているのではない。
道路には彼女以外、人っ子一人いない。
ただ、道路の向かいにあるお店の前に立ち、猛烈にわめき立てていた。
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