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小学校2年生の秋の終わりのこと。 僕は海を渡って遠い土地に引っ越してきた。 新しいお家はお母さんのお父さんと お母さんがいる家。要は僕のおじいちゃんとおばあちゃんのお家に一緒に暮らす事になった。 僕の家は街の中から地下鉄の終点で降りてバスに乗り継ぐ。そのバスがまたね、遠いんだよ。最初は学校とか本屋、スーパーとか並んでいる道をどんどん走っていく。そしてあるところを曲がると突然、林の中の一本道の急な坂道とカーブばかりの道が続く。 そんな道をバスがクネクネと曲がってずっと登っていく。すると木の隙間から町がチラチラみえたりするんだ。特に夜は明かりが綺麗で。僕はそんな道を走るこのバスがちょっと好き。バスの運転手さんは大変そうだけど色んな景色が見れて羨ましいよね。 そそ、僕はいつも終点まで乗っていく。そこはどこをみても林の中。お店どころか屋根付のベンチもない。あるのはバス停と外灯が1本だけ。本当、昼でも木がお日様を少しじゃましてて涼しいよ。そして僕のお家はこの先にあるんだよ。
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