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小学校3年生の春。
近所の公民館で週1回、習字教室に通う事になった。
教室はオヤツ付だから楽しいよって言うけれど僕は「ゼーッタイに嫌!!」といっぱい駄々をこねてみたけれどダメだった。
教室は学校帰りに寄っていた。でも、教室が終るとバスの時間まで1時間待つし中途半端だったからね。雨の日以外は大抵みんなと一緒に途中まで歩いて帰ってた。教室そのものは違う年の人と仲良くなれて楽しかったんだけど・・・
一番遠い子で僕の降りるバス停の1つ前の道で別れてた。だから僕は教室の帰り道は例の「こわい坂」を一人ぼっちで歩かなきゃ行けない。それもいつも夕方に。あの時の僕はお守りなんかよりペンライトのほうがよっぽど大事。
春でも夏でも夕方になれば直ぐに薄暗くなるし、林のカサカサと鳴る葉っぱの音だってなんとなく怖くって。秋や冬なんて教室が終わったらすぐに真っ暗で。いつオバケが出ても不思議じゃないよね。暗い時間に歩く時はペンライトを持つ手がいつも震えてて・・・泣きたかったんだよ・・・
そそ、教室の皆と話すのは楽しいけども、僕は習字教室が大ッ嫌い。
だって僕が一生懸命自分の名前を書いてもいつも名前が真っ黒になっちゃうんだよね。でも、課題の字は上手にかけてるからそれを先生に渡すと必ず言われるんだ。
「自分の名前も綺麗に書こうね」って。でも、僕は一生懸命書いてるんだよ、自分の名前も。でもどうしてもうまくかけなくて字が潰れちゃう。
だから僕は習字と習字の先生が大っ嫌い。
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