オバケのいる坂

最初は数日って言われてたけど、仲良くなった僕たちは次の年の夏まで毎日一緒に帰っていた。
うん、次の年まで。というのは、その子はまた転校しちゃったから･･･。
でもね、僕はその子から方言っていうのを時々教わったよ。「こわい」の意味みたいにね。

例えば「しゃっこい」は「冷たい」でしょ。「ゴミを投げる」は「ゴミを捨てる」とか。他には「なまら」は「すごい」とか。県外に親戚がいるから言葉がたまに通じないって言っていた。だから僕のこともわかってくれたのだと思う。そして教わるもの楽しかった。

そうそう。びっくりしたのが「サビオ」と「つっぺ」かな。サビオは絆創膏(バンソウコウ)でつっぺは僕が鼻血を出した時に教えてもらった。ほら、鼻血の時に鼻に詰めるティッシュの事を「つっぺ」って言うんだって。つっぺって変だよね。僕、笑っちゃった。