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好きなやつが参加したのは俺じゃない、この中にいた一人が好きだったから。
だから交流なんてそんなになかった俺の誘いに頷いた。
今思えばどこが好きだったのかすら思い出せない。
そんな子供の好きだという思い
だからこその思いだった。
追っていた視線の先には間違えても俺を見る事のない只の友達
突然腕を引かれ、海に引きずられ海水を頭からかけられた。
突然の事に
最初から叶わない願いに
イラつき睨んだ俺を見ていた真波の瞳は、多分俺の知る限りの真剣なものだった。
イラつく俺の手を握った小さな女の子の手
「目…痛いでしょ…心も」
気付かれた…?
真波の言葉にはどちらを指していたかなんてわからない曖昧な問いかけだったのに
動揺した…
今まで見ていたのが思い人だったから
一瞬動けなくなった…
真剣な視線から無意識に後ずさった…
終わった…そう思った
その後に待つ好奇と軽蔑を含んだ沢山の視線が怖かった。
海水と目を細めるほどの日差しに真波の顔が見えなくて
目頭が焼けるように痛んだ。
それなのに真波は俺を花火に誘った。
海中で俺の手をしっかりと握って
痛かったのは
目だったのか
心だったのか…
それとも
これから告げられる真波の言葉に怯えたからなのか
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