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「真波…辛いよ」
「辛くて苦しい…なんで俺は普通じゃないんだろう…」
真波の部屋
「どうして…?どうしていつも圭吾は普通じゃないっていうの?普通って何よっ!圭吾のいう普通って何?」
「女の子を好きになれないことだよ…」
「…私はさ、圭吾と仲良くなったのは遅かったけど…でも知ってたよ?優しいだけじゃない優しいところ」
「……」
「いつも周りを見てて、持ちきれない荷物をさりげなく持ってくれたり、体育祭でみんなに迷惑をかけたってクラスの中に入ってこれなくなっちゃうような子のそばにいたり、私が貧血で辛かった時にも 黙ってた事怒られてその後送ってくれた」
俺を睨みつける大きな瞳には涙がたまっていて、お互い逸らすことなく時間が流れた。
西日が向かい合って座っている横顔を照らす
カーテン越しにも眩しくて細めた瞳から零れ落ちた涙が何よりも綺麗に見えて真波から視線を外すことが出来なかった。
「バッカじゃないの!自分で自分を認めてあげなくてどうするのよっ!圭吾を好きな私まで否定しないでよ!」
そう…君はいつでも俺のため泣くんだ
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