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普通だったら…
女の子だったら…
そんな思っても思っても、願っても願っても叶わない願い。
俺じゃない可愛い女の子を見つめる優しい眼差しに、宙を仰いでため息と共に大きく息を吐き苦笑する事しかできない行き場のない俺の思い。
隣に立つ事は許されても触れる事は許されない。
開き直るには幼すぎて
唯々相手に許しを乞い、胃がせり上がってくるような吐き気に顔を両手で覆う。
赦して…
助けて…
俺を解放して…
「けーいごっ」
軽く肩が腕にぶつけられ見下ろすと上目遣い
「…ん?なに?」
「うん、次の授業のプリント職員室に取りに行くの付き合って?」
なんの意図も見えない自然体。教師に頼まれた仕事に、不貞腐れた顔が俺の腕を掴んでくる優しすぎる女の子。
薄暗い廊下を並んで職員室までを歩く。
「真波…ありがとう」
俯き情けない声しか出ない。
「んー?何が?ありがとうは私だよ?付き合ってくれてありがとう。ホント面倒くさいよね、職員室とか」
面倒くさいと言いながら弾むように歩く真波が俺を見ていてくれるから耐えられない程じゃない。
ありがとう…
あの場所から連れ出してくれて
ありがとう
……真波
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