~出会い~

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~出会い~

大陸の中央に広がる広大な森―― その中にはいくつもの川や泉を内包し、その地に暮らす一族を静かに守っていた 一族の名は、シャルキー 森の恵みに支えられ、ひっそりと慎ましく、心豊かに暮らす一族だった しかし自然の恵みに溢れた豊かで豊潤な大地は、他国にとっても魅力的なものであり 周囲の国々がシャルキーの森を欲したのも、当然の事だった そのひとつは、北方の大国 インテグリフォリア王国 広大な北方大陸を統治しており、その歴史はどこよりも古く深く、 現王カールハインツの庇護の元、人々は平和で安定した暮らしを約束されていたが その暮らしをより豊かにするため、国は新たな土地を必要としていた そしてもうひとつは、南方の新国 アル・アジール首長国 大地のほとんどを砂漠に覆われた場所で、複数の部族がより豊かな地を求めて争う中 4年前にそれらをひとつにまとめ上げたのが、新王エディハド 彼らは何よりも、シャルキーの森の持つ豊潤な水源を求めていた その二つの国が、シャルキーの地を巡って兵を立ち上げようとしている最中 争いを良しとしないシャルキーは今、 どちらの国に与することが己が一族にとって有益なのか…… その判断を下すことを迫られていた
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