1話.身勝手なあいつ

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「……ううっ……」 意識がぼんやりとする。 ゆっくりと重い瞼を開いてみると、視界が霞む中、目の前には見慣れない真っ白な天井が広がっていた。 「ここは……?」 つい先程まで自分がいた場所とは一変した状況に、思考が上手く付いていかない。 私は体は動かさずに視線だけ泳がしてみると、脇に設置された薄い青色の仕切りカーテンの隙間から様々な薬品が置かれている大きな木製棚が見えた。 この光景は、校内の保健室だ。 けど、何故自分が今ここに居るのかよく分からない。 私は状況が分からず頭が混乱する中、突然こめかみに激痛が走る。 「……っ」 思わず指でその箇所に触れてみると、そこにはいつの間にやら分厚いガーゼが施されていた。 ……そうか、思い出した。 確か私は、落ちてきた資材に思いっきりぶつかったんだっけ。
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