キツネノシッポ

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「あああああああ!!!!!ちょっ、これマジでやばい!!死ぬ!死んでしまう奴ぅ!!!!」 高度約3776m なぜ現在、瀧川海斗(21才)会社員の俺が富士山の高さと同じ所から紐なしバンジーさせられているのか。 いや、するハメになったのかと言いますと....朝、無理矢理妖精に起こされ異世界へ強制連行されてる最中、敵に襲われ、かくかくしかじか...そして自由落下なう。 「海斗様ー!正しくは自由落下はしてませーん!風の抵抗もろに受けてるのでー!もしその自由落下してた場合、約27秒ほどで地面に到着する事になりますけどー!」 このピンチを作り出した元凶、金髪の髪に羽の生えた妖精族のシャルル サイズ的に500mlの缶コーラくらいの大きさしか無いので俺を抱えて飛ぶ事は出来るわけがない。 「シャルルてめー!人の心の中読むんじゃねー!!!それよりどうすんだよこれ!本当に死ぬって!ああ!やばい地面があんなに近づいて!!!」 迫り来る地面。 パラシュートも命綱も何もない。 勿論、空を飛べる魔法も使えない。 「はははははは!ほんまおかしい、自ら飛び降りるとは中々おもろい奴よー!はーはははは!!」 背後から迫り来る妖しい光を輝かさせ水晶の様な青い目と、銀色の耳と尻尾の生えた女。 そして、同じき女も落下中。 「わっちに殺されるより、己で命を捨てるとはよいよ馬鹿な種族。何がなんでもわっちの手で殺して苦しまないように逝かしてやるさかい、はよこっちに来なんし。」 蒼く燃える狐火を操る妖艶な亜人、銀閣とは15分前ほどにお会いしたばかりなのに偉く気に入られたようだ。 銀閣に追いつかれても死ぬし、このまま何もしなくて地面に着地すれば勿論死ぬ。 絶体絶命とは今まさにこの時の為に作られた言葉なのだろう。 「....ってか、銀閣お前空飛べねーだろ!!テメーも俺と対してピンチなのは変わんねーからな!!!馬鹿な種族なのはお前も同じだからな!!」 「...しまったーー!!!!わっち空飛べないのわすれt...な、ななななななんの事かわっちにはさっぱりでありんす。」ガクガクブルブル 「お前、さっき忘れてたって言いかけたよな。動揺してるのが丸わかりなんだよ。」 銀閣の色白の肌がさらに白く、青い色になってい行く。 ーーー地面到達まで約10秒ーーー
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