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デートスポット探偵③
「札幌にある東横インは、五つだね」
一条さんが調べて、紙に書き出してくれた。
・札幌駅南口 中央区南3条西1丁目1―16
・札幌駅北口 中央区北6条西1丁目4―3
・札幌駅西口北大前 北8条西4丁目22―7
・札幌すすきの交差点 南4条西3丁目4―1
・札幌すすきの南 南6条東2丁目1―1
「もし北さんが東横インにいるんだとしたら、②の暗号を解くことで一つに絞れるってことか」
俺が渡されたカクテルの下にあった紙切れに、今一度目を落とす。
『②君にしか解けない。
45名に頭が上がらない2n-1
※nは自然数とする』
「君にしか解けないっていうのは……山川くんのことだよねきっと」
「そうだと思います。俺のカクテルの下に入ってたので」
「45をnに代入すると、89か。でも、そういうことじゃないんだろうね。山川くんにしか解けないんだから」
「俺にしか解けない……」
一体どういうことなのか。俺に分かって、一条さんには分からないこととはなにか。北と俺は今日初めて顔を合わせた。お互いどういう人間かなんて、分かりようもない。
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