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yagami 3
平日でも、夕食時の焼き肉店はこんなにも込むものなのかと驚きながら、八神はオドオドと店員に声を掛けた。運良く半個室のような作りの席が空いていたので、そこに二人向かい合うようにして座わることができた。給料日前なので贅沢はできない。一番リーズナブルなセットメニューを八神が選ぶと、暮野は『俺は食い放題ってやつがいいな』と嬉しそうに言った。
(やつ?……)
暮野は食い放題を知らないのだろうか? まるで初めてそれにチャレンジするかのような様子に、八神は本当に暮野宇宙人説を信じてしまいそうになる。
(いや、いや、いや)
八神は心の中で三回それを否定すると、ちょうど通りかかった店員に注文を済また。
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