yagami 3

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 八神が驚いて言葉に詰まっていると、まるでその間を埋めるように、特大パフェが届いた。数種のフルーツをこれでもかと盛り付けたとても贅沢なパフェだ。 「おっ、来た、来た。ほら、一緒にこれ突つきながら、本の話しをしようぜ。本来これが目的なんだから」  彼はテーブルに置かれた特大パフェの天辺のサクランボを、いきなり指で摘まんで口の中に放り入れた。八神はスプーンを握り、アイスと生クリームを一緒に掬って口の中に入れると、ほどよい甘さが口いっぱいにひんやりと広がる。 「あ、あの、メモに、僕と本の趣味が合いそうって書いてあったけど、どうしてそう思ったんですか?」  八神は気になっていたことを、パフェを食べるという行為に乗せながら、さり気なく尋ねた。 「え? ああ、それはさ、俺が本を借りる時、あんたいつも俺と本を交互に見て、何か言いたそうな顔するんだよ。あれ、多分無意識でやってるんだろうな」  八神はものすごく恥ずかしくて思わず両手で顔を覆った。そんなことをしていたのかと思うと、恥ずかし過ぎて彼の顔を見ることができない。 「だからさ、今日の三冊は確実にそうだと思った。あんたがさ、俺の借りた本見つめてた数秒間は、えらく長く感じたよ」 「す、すごく恥ずかしいこと僕してたんですね。うっ……す、すみません」  八神は顔を伏せながら、震える声でそう言った。     
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