yagami 5

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yagami 5

 休憩時間も終わり、なかなか喉を通らなかった食事のせいで胃もたれがひどく、午後の勤務に影響が出そうだと、憂鬱になりながら苦手なカウンター業務に着くと、隣にいる池田が八神に気味の悪い笑顔を向けてきた。胃の中の物が逆流するほどの気持ち悪さを感じたが、八神はぐっと腹に力を入れなんとか我慢した。  今日の午後は運良く利用者がいつもより少ない。八神は、隣が池田だというマイナスな出来事に目を瞑ることができるほど、そのことに安堵した。 「元気?」  下を向きバーコードリーダーの本体と格闘していた八神は、その心地良い声に素早く反応し、頭を上げた。 「暮野さん!」     
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