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「やだね。上司に報告する。八神君さ、ちょっとばかし見た目が良くなったからって調子に乗ってんじゃないの? 俺がそんなお前をよーく説教してやるから、今晩、飯付き合えよな」
池田は自分勝手に立てた予定を八神に押しつけると、ひとりにやにやと下卑た笑顔を浮かべながら、カウンター業務を進めようとする。
「ちょっ! そんな急に、む、無理でっ……」
八神がそう言いかけた時だった。
「おい」
「……」
「何無視してんだよ。あんただよ」
「え? 俺?」
「そうだよ。他に誰がいるんだよ。俺をこんだけむかつかせる奴がさ。何処探したってあんたしかいないだろう?」
「……い、いきなり何なんですか? あなた……」
池田はみるみる顔を蒼くさせると、暮野に対し僅かに虚勢を張った。
「あんたさ、その人を舐め腐ったようなクソみてーな態度で俺にも言ってみい? 特別扱いさせんなってさ」
「は、はい? あなたにそんなこと言われる筋合いはないと思いますけど」
怒りなのか怯えなのか、それまた両方か。池田はぷるぷると体を震わせながら、必死に暮野に言い返した。
「俺、八神と友達なの。俺ら仲いいから、八神を困らせる奴には言う筋合いがあんだよ。上司に報告するとかマジキモいな。そんなキモいことしたら俺がただじゃおかないぜ? あ、あんた絶対友達いないだろう?」
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