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アラベスク
二重三重の 蔓に絡まって
動けないまま 君を想っている
胸焼くほど カラカラになるまで
音のない名を叫んでいる
枝分かれを 指でなぞる
仕組まれたように またたどり着く
本当のことは 知らなくていい
棘の波形を切り裂いて
実は 見たことも聴いたこともない
銀色の亜空間へ根を這わせて
咲き誇れ 誰も知らない名で
この声を 君の一秒に刻みつけて
十把一絡げの 夢が溶けだして
焦燥感に苛まれている
微妙にずれた 分身達が輪になって
こっちを指差し笑っている
足の先から 指の先から
絞め殺しながら 喉元を狙う
何もしない 何もできない
どす黒い血を噛み切って
たとえ 優しく白い君の声が
本当に嘘だったとしても
枝を辿り 巡り導かれる
秒針に刻まれた奇跡を言い訳にして
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