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こうして、ひっそりと始まった二人の恋愛。
だが、やはり辻上が言った通り、普通のカップルのように会うことは
叶わなかった。
それに電話も、いつしたら邪魔にならないのかが未波には図りきれず、
ついメールに頼ってしまう。
だが、このメールまでも、辻上の場合は訥弁だった。
「今日は、学校あるの?」と尋ねれば、返ってくるのは「ある」か「ない」だけ。
「ご飯、ちゃんと食べてる?」と尋ねれば、返ってくるのは「食った」か
「まだ」だけ。
しかも未波は、こんな質問の前に自分の近況や、ちょっとした出来事を
文にして送っている。
だが、そっちは読んではいるのだろうが、触れられることは、まずない。
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