8 風邪ひきとクリスマス

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こうして、ひっそりと始まった二人の恋愛。 だが、やはり辻上が言った通り、普通のカップルのように会うことは 叶わなかった。 それに電話も、いつしたら邪魔にならないのかが未波には図りきれず、 ついメールに頼ってしまう。 だが、このメールまでも、辻上の場合は訥弁だった。 「今日は、学校あるの?」と尋ねれば、返ってくるのは「ある」か「ない」だけ。 「ご飯、ちゃんと食べてる?」と尋ねれば、返ってくるのは「食った」か 「まだ」だけ。 しかも未波は、こんな質問の前に自分の近況や、ちょっとした出来事を 文にして送っている。 だが、そっちは読んではいるのだろうが、触れられることは、まずない。
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