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「私、メール室では失敗ばかりだったし、
その度に辻上さんや、みんなに助けてもらって。
最初は慣れないし、ヘコむし、辛いこともありました。
でも気が付いたら、結構楽しく仕事してて。
それで……、あの、この前水族館に行った日、ウチに帰ってから思ったんです。
私、辻上さんに惹かれてるから、自分だけ名前を呼んでもらえないことが
寂しかったんだなって」
そこまで一気に言った未波の言葉が切れると、ちょっとぎこちない沈黙が
彼女たちの間に浮かんだ。
だが、それを辻上が、そっと破る。
「俺は、器用じゃない。言葉も、上手いことは言えない。
だから恋愛も、器用にも上手くも出来ない。
それに、来年の2月の試験が終わるまでは、あまり会うことも出来ない」
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