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一瞬、互いの想いが通じたと思ったのは勘違いだったのか。
わずかに視線を俯ける辻上を前に、未波は少し不安になった。
だから、つい前のめりな事を口にしてしまう。
「あの、つまり、私を好きになってくれたけど、
お付き合いは出来ないってことですか？」
しかし言った瞬間、「うわぁー……」と、胸の内で顔をしかめた。
ちょっと私、ガッツキすぎ。
だが、視線を戻して首を振った辻上は、再び視線を小さく俯けた。
「俺は、優しく喋るとか、甘い言葉を言うとかは苦手なんだ。
だから、たぶん俺は、女……の人が好むような恋愛はできない」
しかし、少しばかり辛そうなものを浮かべる目の前の彼に、
未波は、やっぱり前のめりになった。
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