7 唐突すぎる唐突 (つづき)

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「でも私、こうやってピアノを聞かせてくれるのも、 この前みたいに一緒に水族館へ行くだけでも、楽しいですよ?」 キョトンとして言った未波を、辻上は、黙ったまま少しだけ見詰めた。 そして、フッと淡く笑う。 「アンタ、変わってるな」 その辻上の笑顔に釣られるように、未波も小さく口元に笑みを広げた。 「米倉未波です」 えっ?  戸惑い顔の辻上が、ちょっと言葉を呑む。 だから未波は、更に笑みを広げた。 「私、『アンタ』じゃなくて、米倉未波です」 目の前の辻上の顔が、ハッとしたように小さく目を見開いた。 そして、 「米倉、未波」 はい。 微笑んで頷いた途端、未波は、初めて柔らかく笑う辻上の笑顔を見た。
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