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「智樹は、お前に、ほとんどひと目惚れだったからな」
だからと言って、絹矢の恋が成就するとは思えない。
お蔭で、自分も告白するタイミングを逸してしまったという。
「だから、そっちの出向が終わるか、俺が試験に受かって転職の時かに
言うつもりだった」
ちょっぴり照れ臭そうな辻上が、なんだか可愛く見えた。
そして未波は、そんな彼に、いつから自分を好きになったのかを
訊きたかった。
だが、二人の想いが通じ合ったといえども、まだ通じたばかりだ。
さすがに、訊くのは躊躇われた。
だから代わりに、少し別の距離を縮めてみる。
「あの、レイさんって呼んでもいいですか?」
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