第四話

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「容子?」 『あ、うん……メアドはお義父さんから、前に教えてもらったの。そっか、翔太、そっち行ったんだ……』 「なんかケンカしたとか言ってたけど」 『あー、うん、そうね、ケンカになるか……』  なんだか歯切れが悪い答え方に、俺の方も訝しく思ってしまう。 『とりあえず、兄さん、しばらく翔太のこと、よろしくお願い。ちょっと私もパートに出なくちゃいけないからさ』 「あ、悪い。俺ももうすぐ電車に乗るんだ」 『え、仕事なの?』 「まぁな」  俺たちは、また連絡をすると約束をして、電話を切ると、ちょうど電車がホームに入ってきた。  翔太は、どんな理由でケンカして出てきたのか、は気になるものの、こればかりは本人から聞かないことにはわからない。  ガラガラの電車の中に乗り込みながら、俺はすでに仕事のことを考え始めていた。
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