第五話

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 翔太が転がり込んできて、一週間が過ぎた。  結局、日々の忙しさにかまけて、なんで喧嘩したのかを深く追求することもなく、早く出ていけとも言えずに放って置いたら、部屋の中は徐々に片づけられていき、いつの間にかに翔太の生活する物(布団だとか食器だとか)が増えていて、すっかりこの部屋に居ついてしまっていた。  出かける時は「いってらっしゃい」、帰ってくれば「おかえり」と、すっかり同居人と化している。そして、仕事から帰ってくると、当然のように炬燵の上には夕飯が用意されている。たった一週間だというのに、それすらも当たり前になってしまっている俺も俺なんだが。 「翔太、いつまでうちにいるつもりだ」  俺は翔太が買ってきてくれていた発泡酒を飲みながら、俺の正面で旨そうに飯を食っている翔太を見つめる。今日は俺の好きな生姜焼きだ。少し焦げている部分もあるものの、それくらいはご愛敬というものだ。
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