お前が鳥になれ

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「お前が、弥兵衛さまに、その肉を――」  阿比留はちょっと眩し気に目を細めた。それは彼にとって、見知らぬものを見て驚きつつ興味をそそられた場合にする表情であることを、可為武は知っていた。 「まだ半分あります、あにじゃの分も、」  そう言って彼は、抱いていた烏の首を毟り取るように曲げた。 「阿比留ッ」  可為武は叱る時の癖で、阿比留に手加減せずに掴みかかった。
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