0人が本棚に入れています
本棚に追加
長く続く外階段を、軽い足取りで降りてくる足音が近付く。
頭の上側にふわりと降り立ったのは……天使だった。
夜空を彩る星の明かりを、背中に生えた真っ白な羽根で蹴散らすような、神秘的で、神々しい光を持つ美しい女性。
彼女を前にしたら、生まれながらの天才も、勤勉な秀才も、もちろん何をやっても落ちこぼれの脱落者も、認めざるを得ない。
小さな星屑なんかは、どれがどれだけ輝こうとも、宇宙の塵である事に変わらない。
天使がささやかに口を開いた。
「生きる事をやめるの?」
俺は手足を投げ出したまま、頷いた。
「もう、夢の中でも仕事してるんだ」
心も体も精神も、削り尽くしたと自覚してる。
最初のコメントを投稿しよう!