第五話 恋は匂へどちりぬるを

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「うむ。元気であったか?苦しゅうない。近う寄れ。という訳で、必殺押し倒し~♪」 「ちょっ!?先輩っ!?」 章二は一輝をいきなり押し倒すと、そのまま、 「あ。そ~れ。男のロマン~帯まわし~♪あ~れ~♪」 と瞬く間に一輝の寝具を取り去った。 一輝は無駄な努力だと知りながらも、白い素肌を両腕で隠すと、先輩を見上げた。 どうしてこうもあなたには、全てお見通しなのか。 そんな幾分の非難を込めた目で。 当の章二は、それを涼しいポーカーフェイスで受け取る。 「やっぱり……ひどい有様だね。一輝ちゃん。……これ、誰にやられた?」 「先輩……どうして……」 「首筋の傷が見えたんでね。ま、帯回しは趣味?……答え、聞いてないぜ?誰にやられた?」 「あなたには……関係ないことだ」 「確かに関係はないね。そこは否定しないよ。でもね。 こうして見ちゃったからには、関係ないってばっくれられるほど、俺、お人好しじゃないんだわ。ごめんねごめんね~」 「あなたを巻き込む訳にはいかない……これ以上」 「あ、そこは別に気にしなくていいよ。俺が勝手に巻き込まれるだけだから。 俺、サバイバル大好き♪特に白洲みたいな巨悪相手に大立ち回りって大好物だわ」 「…………!?」 「ズボズボ図星?やっぱり、一人で白洲一族とやり合ってる訳ね。     
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