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「うむ。元気であったか?苦しゅうない。近う寄れ。という訳で、必殺押し倒し~♪」
「ちょっ!?先輩っ!?」
章二は一輝をいきなり押し倒すと、そのまま、
「あ。そ~れ。男のロマン~帯まわし~♪あ~れ~♪」
と瞬く間に一輝の寝具を取り去った。
一輝は無駄な努力だと知りながらも、白い素肌を両腕で隠すと、先輩を見上げた。
どうしてこうもあなたには、全てお見通しなのか。
そんな幾分の非難を込めた目で。
当の章二は、それを涼しいポーカーフェイスで受け取る。
「やっぱり……ひどい有様だね。一輝ちゃん。……これ、誰にやられた?」
「先輩……どうして……」
「首筋の傷が見えたんでね。ま、帯回しは趣味?……答え、聞いてないぜ?誰にやられた?」
「あなたには……関係ないことだ」
「確かに関係はないね。そこは否定しないよ。でもね。
こうして見ちゃったからには、関係ないってばっくれられるほど、俺、お人好しじゃないんだわ。ごめんねごめんね~」
「あなたを巻き込む訳にはいかない……これ以上」
「あ、そこは別に気にしなくていいよ。俺が勝手に巻き込まれるだけだから。
俺、サバイバル大好き♪特に白洲みたいな巨悪相手に大立ち回りって大好物だわ」
「…………!?」
「ズボズボ図星?やっぱり、一人で白洲一族とやり合ってる訳ね。
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