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第一章 レンズ越しの邂逅
脳内物質がもたらす快楽的衝動の相互関係
高城 千鶴(Chiduru Takashiro)
――序論(introduction)
――「快楽」。
所詮、こうした衝動は、脳内に分泌される化学物質のもたらす生理現象に過ぎない。
我々が「気持ち良い」と感じたり、愛だ恋だという感情も、全てこれらの物質に操られているということになるのである。
まさに、愛など脳内物質の作り出したまやかしに過ぎない。
それはひどく理不尽でもあり、同時に愉快でもある。
憐れなエピキュリアンたる我々は、その事実を知りつつもその衝動と悦楽に酔いしれるしかないのである。
これから論じる内容は、まさにそれらに踊らされた憐れなモルモットたちの記録となるであろう。
さて、脳が関知する快楽物質には「脳内麻薬」の別名を持つドーパミンなどがあるが……。
(後略)
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