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「う…っ」
重みに呻いて、洸野はベッドに倒れこんだ。その隙をつき、青見の舌と指が身体をまさぐってくる。
本当に男との行為にも慣れているのだろう。青見は的確に洸野の快感を見つけ出し、集中的にそこを攻め始めた。腰を撫で上げ、胸を舐め上げ、尖りを舌でこねる。歯で軽く引っかけられて、背に恐れとは違う痺れが走る。
「ひあ…っ」
喉から甘く鳴くような声が出て、洸野は困惑した。
違う。こんな筈はない。違う。
足だけでは、ろくな抵抗はできない。足の間に陣取る男を膝で蹴るが、太腿を撫で上げられて力が抜ける。指で乳首を押し潰され、青見の唇に髪の生え際を食まれる。
「離せ…っ、あ…っ」
否定の言葉が浮かぶのに、身体は誘われるままに、反応してしまう。
「気持ちいいみたいじゃないか」
「あ…っ、や…めっ」
厚い手の平で僅かに立ち上がったモノを直接に握りこまれ、洸野は身体を震わせた。
快感だ。間違えようもないそれに、心が距離を取ろうと必死になる。
中心を揉みしだかれて、内腿に力が入る。それがぐっと嵩を増すのがわかる。
情けなさからか、恐怖からか。涙が眦を落ちた。
やめろ。ダメだ。 青見の巧みな愛撫に、芽生える拒絶はことごとく手折られる。
欲望が膨らんで、身体の芯が熱くなってゆく。甘い痺れが身体中に広がり、もうどうにも堪えられない。喉奥から甘い声が出てゆく。
「あっ、う…っ、ンンっ」
「…イイ身体だ」
ぺろりと首筋を舐められて、ぞくぞくと背筋に快感が走った。先端から零れ出たものを胸に塗りつけられながら、敏感になった尖りを押し潰される。濡れた感触と痛みに似た快感に、声を上げずにいられない。
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